【ゲストへのご挨拶】
六大都市の一角を占める神戸市は、そのど真ん中に標高千メートル近い山が聳えるという特殊な都市でもあります。大都会での、気軽に楽しめる山岳リゾートと、そこにある近代の歴史をお楽しみ下さい。
1932年に開通した六甲ケーブル。下駅は1938年の阪神大水害で壊滅的したのちに再建された素敵な洋館で、災害復興建築としても貴重なものです。
山上駅は開業当初のアール・デコ建築。阪神間のお屋敷町に住んでいたハイカラな家族が訪れた華やかな時代の息吹を今に伝えていますが、内部にはスチームパンクの世界観を具現化させたが如き重厚でレトロな機械室が! 今回は六甲山観光㈱のご厚意により、非公開の機械室を特別に見学させて頂きます。
そして「西の軽井沢」とも称される六甲山には沢山の別荘が残されていますが、今回はその中でもあのウィリアム・ヴォーリズの設計の旧小寺家六甲山荘(登録有形文化財)も見学します。冬季は閉鎖されるのですが、こちらも特別に冬の姿をご覧いただけます。
次の目的地六甲オルゴールミュージアムまでは山道を散策しつつ、15分程度。「行楽地の観光施設やろ?」と侮ってはいけません。博物館美術館法に基づく「博物館相当施設」、国に認められた研究機関であり、館長以下専門のキュレーターが運営しているのです。数々のアンティーク・オルゴールの演奏をお楽しみ下さい。
・どんな人におすすめなのか?
歴史好きの方。近代化遺産・産業遺産に興味のある方。近代建築マニアの方。ジブリ的な機械、スチームパンクの世界が好きな方。廃墟が好きな方。アンティークが好きな方。オルゴールが好きな方。山の空気が好きな方。「阪神間モダニズム」に興味がある方。谷崎潤一郎の「細雪」の舞台となった阪神間の歴史と文化に興味のある方。
三時間強のコースです。それほどの距離は歩きませんが、高低差もありますし、動きやすい服装でお越しください。
日本で最初の「郊外」として発達した阪神間は、リゾート地としての六甲山を生みました。身近な六甲の、奥深い近代の歴史を感じて頂ければ、と思います。
・なぜこの体験を開催するか?
都市としての神戸の歴史は、幕末に始まります。その「近代」と呼ばれる時代、幕末から第二次世界大戦がはじまるまでの間に、日本は劇的に変化しました。その中でもその先端を走り続けたのが、神戸を含む京阪神圏であり、その住宅地として拓かれた阪神間なのです。現代の都市にあるものの多くは、その時代に起源を持っています。その時代の息吹を少しでも感じて頂きたく思っています。
【料金に含まれるもの】
参加費(ケーブルカー機械室・六甲山荘見学込)
※ケーブルカー運賃、オルゴールミュージアム入館料は別途必要です。