「田舎の宝探しのプロ」金丸弘美さんインタビュー 〜田舎には「ヒト・夢・カネ」が集まる力がある !? 〜

 

こんにちは!今回は、地域の魅力発掘を目指す TABICA(たびか)が、
「田舎の宝探しのプロフェッショナル」がいると聞きつけ、インタビューしてきました!

Amazon「地域経済部門:5年連続ほぼ1位のベストセラー著書が語る、田舎の魅力とは?
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その方は、金丸弘美(かねまるひろみ)さん

金丸弘美さんプロフィール

「食環境ジャーナリスト」として、「食からの地域再生」「地域のブランドデザイン」「食育と味覚ワークショップ」をテーマに、全国1000ヶ所以上の農村・漁村に足を運ぶ。著書は全33冊、監修本や取材本を合わせると100冊以上。ラジオ、テレビ出演、講演活動多数。小学校から大学まで、食育講師としても活躍。
総務省地域力創造アドバイザー。明治大学農学部食料環境生活科兼任講師。

 

食環境ジャーナリストとは?

都会で切り離されてしまった食と環境

——まず「食環境ジャーナリスト」とは?
金丸さんの肩書きは「食環境ジャーナリスト」ですが、他では聞いたことがありません。ここにはどんな思いがあるのでしょうか。

「食と環境は繋がっている」と金丸さんはご説明くださいました。

都会では現在、「食」と「環境」が切り離されてしまっている。
なぜなら、都会にはものが入ってくるだけで、「食はスーパーにあるもの」になってしまっていると指摘。

一方、多数の地方農村を見てきた金丸さんは、おいしい食は「環境」から来るものだと確信し、「食」だけでなく「環境」の両方を伝えることが、地域活性化に重要だと「食環境ジャーナリスト」と自ら名乗るようになったそうです。

東京を離れ奄美に移住〜奄美でカップヌードルが流行る現実に矛盾を感じる〜  

——では「なぜ食環境ジャーナリストに?」

もともと、大の演劇・映画好きだという金丸さん。
新卒で入社した出版社で美容関連の雑誌記者とともに、映画評論執筆を300本以上も任されていました。また「笑っていいとも!」のプロデューサーと交流をするなど、演劇製作での活躍を夢見て活動をしていました。

しかし、子供の誕生で仕事について悩んでいる最中、様々な困難が同時に家族に降りかかります。
奥さんが、癌(がん)を患い、お子さんがアトピー性皮膚炎にかかり、登校拒否に。
それがきっかけで、心身ともに健康を取り戻したいと考えた金丸さん一家は、
自然豊かな奄美諸島に一家で移住を決意しました。

——「田舎のイメージ」とのギャップに驚く

しかし、豊かな自然と食を求めて向かった奄美諸島で、意外な事実を目の当たりにします。
地元のスーパーに売られているのは本土から来た、均一化された商品。
さらには、カップヌードルが流行し、市民の間で生活習慣病が問題になっていました。

——食の裏側には何が起きているのか?

奄美の現実に直面した金丸さんは、
「なぜスーパーに売られているものを食べて病気になってしまうのか?」
「一体私たちは何を食べているのか?」「なぜ地元のものを食べない状況が発生しているのか?」
と疑問に思い、生産の場に向かうことにしたそうです。

トンボのいない田んぼに愕然

——生産の場に足を運んでみたものとは

そして向かった田んぼで目にしたのは、大量生産のために機械化され、大量の農薬が使われた工場のような田んぼ。

「畦道にカエルが飛び、水田にめだかが泳ぎ、トンボが飛ぶ」
という田舎のイメージとはかけ離れていました。

農家さんは
「トンボなんて見たことないよ」
「東京の人が、安定的に量がとれ綺麗にそろった米や野菜を求めるから仕方がない。」
と言われ、ショックを受けます。

——豊かな自然環境と食が結びついた場所を作らなければ

金丸さんは、農家さんの言葉を聞き、大量生産された均一的な米が安価で販売されている代償に、田舎ならではの環境が失われていることに矛盾を感じたのでした。

「環境から変えていかないと高く価値がつく良い食物はできない。」
「このままでは地方農村の未来がなくなってしまう」

そう危機感を覚えた金丸さんは、
「食の背景を伝える」ことが地方の魅力を作るのに重要だと考え、それが自分の使命だと感じました。

そして、「食環境ジャーナリスト」として、全国各地の農山漁村を渡り歩く日々が始まったそうです。

地方活性化について語る金丸さんとTABICA細川

東京駅で売っていない「おばあちゃんの笑顔」こそ宝

——では取材の中で見つけた田舎の魅力とは?

各地を取材し、活力のある地域の成功例を見てきた金丸さんは、
「ないないづくし」と思い込んでる田舎でも「都会にあるものがない」からこそ良さがあるといいます。そして、「ないもの」こそ田舎力

田舎力とは、金丸さんが消費者・都会人としての外の視点、また現場を知り尽くした内の視点の、複眼的な視点で発見した「地域の持っている潜在的な力」です。

——具体的にどういったものが魅力?
  
金丸さんは、一件の例をあげてくださいました。
長崎県五島列島の北部にある、人口3000人の小値賀島。

小値賀島で地域の過疎化を止めるべく子供達を受け入れ、島の民家に宿泊し、島の暮らしを体感してもらう体験プロジェクトから始まったNPO法人おぢかアイランドツーリズム」。

ここでの活動が2009年「オーライ!ニッポン」大賞のグランプリを受賞するほど評価の高い体験型観光として注目を浴びました。

内容は、アメリカ人学生を対象に島に3泊4日で滞在するプログラム。「民家に泊まり田舎の暮らしを体験」するというもの。特別な遺産や文化を体験するなどのものはありません。

学生たちが感激したのは、地元の「おばあちゃん」たちのおもてなしだったそうです。
そして、昔からの木造家屋で、自然と共存した「日本の暮らし」。

地域の「人」とのコミュニケーション、その地域環境に根付いたならではの「暮らし」こそ、
外からやってきた人の心に一番響いたのでした。

小値賀島の古民家 <「NPO法人おぢかアイランドツーリズム」http://ojikajima.jp/>

——普通のものでいいの?

金丸さんが、アドバイザーとして地元の人と協力して農村に観光客を呼ぶ体験イベントを起こすときに、地元の人が驚くことがあります。

「こんなものでいいの?」と。

お客さんが来るとなると、地元の人は精一杯のおもてなしをしようと、豪勢な料理を作ろうとしてくれます。

しかし、都会の人が求めているのは
「横の田んぼで収穫され、釜で炊いた白米。」「湧き水で洗った採れたてのキュウリに、お母さんの手作りの味噌。 」

その魅力は、そこで暮らしている人には当たり前すぎて気が付かないことがあります。

だからこそ、金丸さんのような外からの視点で、
田舎に眠る宝を発掘することが重要だということです。

それこそが、
金丸さんは「食環境ジャーナリスト」として、
「田舎力」を発見、伝えるべく、日本全国を駆け回っている理由です。と金丸さん。

生き生きと語る姿は素敵でした。

【最後に】

今回のインタビューで金丸さんが語ってくださった田舎力とは
都会にはない、各地域独特の環境から生まれる食文化

その地域の独自文化を多角的に見つめ直すことが、地域活性化の糸口となるということを教えていただきました。
しかし、発見するのは最初の一歩。
発見した後、持続的な環境を整え、独自性を作り上げ発信していくことが、地域活性化の鍵

発見した後の次の一歩は金丸さん著書の『田舎力〜ヒト・夢・カネが集まる5つの法則」(NHK出版)』には、詳しく論じてありますのでのでご興味のある方はぜひどうぞ!

都会に住む方々は、田舎の温かみ・豊かな自然で育った食・文化を堪能しに、地方へ旅してみてはいかがですか?

金丸弘美さんの他おすすめの著書
・『里山産業論〜「食の戦略」が第六次産業を超える〜』(角川新書)

・『タカラは足元にあり!地方経済活性化戦略』(合同出版)