「古民家って築何年以上?」縁側愛好家が語る古民家のいろは

こんにちは、縁側愛好家の成瀬です。古民家が好きすぎて、これまで120軒以上の古民家をみてきました。縁側が好きすぎて、縁側だけに特化した情報サイト「縁側なび」を作ってしまったほどです。

最近では、カフェやゲストハウスとして古民家を活用するお店も多くなってきましたよね。古民家といえば縁側が付きもの! 無駄な土地、無駄な空間として近年は排除されてきましたが、その空間こそが贅沢そのものです。

……と縁側について語るとついつい長くなってしまうのですが(笑)、それほど語るべき魅力がたくさんあるのです。
そんな古民家の魅力を、初心者の方にもわかりやすく「古民家のいろは」としてご紹介します。

「古民家」の定義は築年数?それとも建築様式?

みなさんは、「古民家」と聞いてどんな家を思い浮かべますか?

古民家というくらいですから、古い家には違いないのですが、茅葺き屋根の家や武家屋敷、京都などにある町家、それともとなりのトトロに出てくるような田舎の家を思い浮かべる人もいるかもしれません。

では、具体的にどんな家が古民家と定義されるのでしょうか。

「古民家」の定義はない!?

古民家とは、日本にある民家のうち、特に建造されてから時を経たものをいいます。しかし、どの時代に建てられたものか、建てられて何年経たものを古民家というか、という定義はないと言われているんです……!

「戦前のもの、特に大正時代以前のものを指すことが多い」と説明しているものもあれば、「昭和25年の建築基準法の制定時すでに建てられていたもの」や、「高度経済成長期に主流となった工業化住宅ではなく、伝統工法で建てられた築50年以上経っているもの」などさまざま。

諸説ありますが、「伝統構法で建てられた築50年以上のもの」が一般的な古民家の定義だと私は考えています。

時代によって変化していった古民家のかたち

古民家には、その使用目的や時代、地域、気候などの諸条件によって多くの建築様式があります。使用目的も、農家、商家、武家民家、庄屋屋敷、都市部の民家などさまざまなのですが、今回は、「建てられた時代」を軸に古民家の特徴をお話したいと思います。

これから登場する古民家はすべて、私が実際に足を運んだ中から選んだ「オススメの古民家」でもあるので、最後までお読みいただけると嬉しいです。

【江戸時代】ベーグル屋さん「はなとね」

兵庫県神戸市にあるこの茅葺き屋根のお家は、築260年以上と言われている古民家です。現在は、若い夫婦が「はなとね」というベーグル屋さんを営んでいます。茅葺き屋根だと維持するのが大変なため現在はトタン屋根に改築してしまうところが多いのですが、ここは茅葺き屋根のまま。

縁側で美味しいベーグルを食べて、ほっと一息できる空間が最高です。

【明治時代】旧堀田邸

千葉県佐倉市にある旧堀田邸。ここは、明治23年に建てられた和風旧大名屋敷です。ロケ地としても有名で、NHK「坂の上の雲」やTBS「仁-JIN」といった数多くのドラマ撮影に使われています。

庭園は緑豊かで、縁側から見る景色は格別。とっても心地よい風が吹く縁側で、緑を眺めながらゆったりできます。

【大正時代】旧朝倉家住宅

代官山駅から徒歩5分のところにある旧朝倉家住宅。人々が行き交うおしゃれな街の中に、ひっそりと佇んでいます。関東大震災前に建てられた歴史ある建物で、縁側からは広い庭園のむこうに高層ビルたちが見え、「この建物はずっとここで時代の流れを見てきたんだな」なんてことを感じます。

特にここの縁側は、夏は風が涼しくて、秋は紅葉が見えて、冬はポカポカで、とても気持ちがいいんですよ。
入場料が100円というのもあって、日本人はもちろん、外国人観光客にも人気のあるスポットです。

【昭和時代】カフェ蓮月

昭和2年の建物を改装してつくられた「カフェ蓮月」。古くから池上本門寺の参拝客に親しまれていたお蕎麦屋さんをリノベーションし、おしゃれなカフェとして生まれ変わりました。

ところどころに、お蕎麦屋さんだった雰囲気が残っています。縁側からの風が気持ちよくて、おばあちゃんちにいるような感覚でくつろげるんです。

やはり大きく違うのは、時代とともに茅葺き屋根がなくなったことでしょうか。明治時代と大正時代を見比べると、外観だけで明らかに違いがわかるところは……まぁないですよね(笑)。でも、大工さんだと外観だけで何時代の民家かわかるのだそうです。

細かいことはわからなくても、こうして建てられた時代による小さな違いや、元は何の建物だったのかなどに注目してみると、初心者の方でも古民家をもっと楽しめると思います。

ぜひ、古民家に足を運んだ際は、そういったところも気にしてみてくださいね。

この記事を書いた人


成瀬夏美(なるせ なつみ)
WEBライター。縁側愛好家で、縁側の魅力を伝えるウェブメディア『縁側ナビ』を運営。
Twitter:@natsumi_285

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